離れて暮らす親を見守る①【家電編】|ポット・冷蔵庫・テレビなど10種類の見守りサービス

高齢者のケア

離れて暮らす高齢の親。

「元気に暮らしているだろうか」
「もし自宅で倒れてしまったら……」

そんな心配をしている方も多いのではないでしょうか。

毎日電話をするのも一つの方法ですが、親に負担をかけず、普段の生活の様子を知る方法もあります。

それが、家電を利用した見守りサービスです。

例えば、冷蔵庫を開けた、テレビのリモコンを使った、電気ポットでお湯を注いだといった日常の行動から、生活状況を把握できます。

今回は、こうした家電を利用する見守りサービスを10種類紹介します。

家電を使った見守りサービスとは?

家電型の見守りサービスは、高齢者が普段どおり家電を使用するだけで、離れて暮らす家族が生活状況を把握できる仕組みです。

カメラで撮影したり、特別な操作を覚えたりする必要がないものも多く、見守られる本人の負担が少ないことが特徴です。

仕組みは、大きく3つに分けられます。

  • 見守り機能付き家電:家電そのものに通信機能があり、使用状況を家族に知らせます。
  • 後付け・交換型:今ある家電にセンサーを取り付けたり、電球などを専用の製品に交換したりします。
  • 電源・リモコン監視型:家電の消費電力やリモコン操作を記録して生活状況を推測します。

それでは、具体的なサービスを見ていきましょう。

1.電気ポットの使用状況で見守る

代表例:象印「みまもりほっとライン」

電気ポットの使用状況を利用した、長年の実績がある見守りサービスです。
通信機能を内蔵した専用の電気ポット「iポット」を使います。

ポットの電源を入れたり、お湯を注いだりした操作が記録され、離れて暮らす家族にメールで通知されます。

例えば、毎朝お茶を飲む習慣のある親が、いつもの時間になってもポットを使っていない。
そんな普段と違う生活の変化に気づくきっかけになります。

使用状況は1日最大3回、指定した時刻にメールで受け取れるほか、24時間または36時間以上操作がない場合の通知も設定できます。

初期費用:5,500円、月額3,300円(税込)

専用ポットはレンタルで、自宅にWi-Fiがなくても使用できます。

向いている人: 毎日お茶やコーヒーを飲むなど、電気ポットを頻繁に使う高齢者。

象印「みまもりほっとライン」公式サイト

2.冷蔵庫の開閉で見守る

代表例:ネコリコ「まもりこ」

冷蔵庫の扉を開け閉めする動作から、生活状況を確認するサービスです。
冷蔵庫に小型の振動センサーを取り付け、扉の開閉を検知します。

一定時間、開閉が確認できない場合は、家族のスマートフォンに通知が届きます。

例えば、毎朝7時ごろに冷蔵庫を開ける親が、その日はいつもの時間になっても開けていない。
設定した未検知時間に達すると通知が届くため、電話などで様子を確認するきっかけになります。

食事や水分補給の際に冷蔵庫を利用する人であれば、日々の生活リズムを把握しやすい方法です。

月額550円(税込)

通信機能を内蔵しているため、自宅のWi-Fiは不要です。

なお、「まもりこ」には、人の動きを検知する人感センサー型も用意されています。

また、シャープの一部の冷蔵庫には「シャープ見守り」という機能があり、専用の後付けセンサーを使わず、冷蔵庫の開閉状況を確認できます。

こちらは対応機種とインターネット接続が必要です。

向いている人: 自宅で食事をすることが多く、毎日冷蔵庫を使う高齢者。

ネコリコ「まもりこ」公式サイト

3.炊飯器の使用状況で見守る

代表例:東芝「IoLIFE」対応炊飯器

ご飯を炊く習慣を利用した見守り方法です。
東芝のIoLIFE対応炊飯器には、離れて暮らす家族の炊飯状況を確認する機能があります。

例えば、普段は毎日ご飯を炊いている親が、何日も炊飯器を使っていなかったらどうでしょうか。
外食が続いているだけかもしれませんが、体調を崩して食事の準備ができなくなっている可能性も考えられます。

対応する炊飯器では、次のような通知を設定できます。

  • 3日間または7日間、炊飯されていない場合
  • 72時間、保温状態が続いている場合

2026年6月発売の「RC-10ZWA」などが対応しています。

向いている人: 自宅でご飯を炊く習慣がある高齢者。

でも、まとめ炊きをしたり、冷凍ご飯を食べたりする人には、必ずしも適していません。

東芝「IoLIFE」公式サイト

4.テレビのリモコン操作で見守る

代表例:「MaBeee(マビー)みまもり電池」

テレビを見る習慣を利用した見守り方法です。
テレビのリモコンに専用の乾電池型機器を入れることで、リモコンの使用状況を記録します。

例えば、毎朝テレビをつけてニュースを見ることが日課になっている親。

いつもなら操作している時間にリモコンが使われていなければ、普段と違う生活の変化を知る手がかりになります。

「MaBeeeみまもり電池」は、ソフトバンクの「みまもりサービス」と連携して利用できます。

テレビのほか、対応するエアコンのリモコンや電池式の機器にも使用できます。

ただし、検知するのは機器の操作であり、実際にテレビを見ているかどうかまでは分かりません。
また、利用するには見守られる側にも対応するスマートフォンとアプリが必要です。

向いている人: 毎日テレビを見る習慣があり、スマートフォンを利用できる高齢者。

ソフトバンク「みまもりサービス」公式サイト

5.照明の点灯・消灯で見守る

代表例:ヤマト運輸「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」

照明の使用状況から、生活の変化を確認するサービスです。
普段使っている電球を、通信機能付きLED電球「ハローライト」に交換します。

一定期間、照明の点灯・消灯が確認できない場合に、家族へメールで通知する仕組みです。

例えば、毎日使用するトイレや廊下の照明。
いつも使っている照明が長時間操作されていないときに、異変の可能性を知ることができます。

このサービスの大きな特徴は、通知だけでなく、必要に応じて訪問確認を依頼できることです。

家族に異常を知らせるメールが届き、本人に電話しても連絡が取れない場合、ヤマト運輸のスタッフによる訪問確認を依頼できます。

ただし、訪問には受付時間や対応条件があり、24時間いつでも駆けつけるサービスではありません。

初期費用:0円、月額1,738円(税込)

自宅にWi-Fiがなくても利用できます。

向いている人: 毎日照明を操作する高齢者。異変があった際の訪問確認にも備えたい家庭。

ヤマト運輸「クロネコ見守りサービス」公式サイト

6.エアコンの使用状況で見守る

代表例:シャープ「COCORO AIR」

エアコンを利用した見守りは、生活状況の確認だけでなく、室内の温度を把握できることが特徴です。シャープの対応エアコンには、スマートフォンから運転状況や室温などを確認できる機能があります。

例えば、真夏の暑い日。

離れて暮らす親の部屋の温度が高くなっているのに、エアコンが使用されていなかったら心配です。対応機種では、設定した温度を超えた場合の通知や、遠隔操作ができます。

高齢者は暑さや寒さを感じにくくなることもあるため、室内環境を確認できる点は大きな利点です。

向いている人: エアコンを日常的に使用し、室温管理にも注意したい高齢者。

7.空気清浄機のセンサーで見守る

代表例:シャープ「シャープ見守り」

空気清浄機を利用した見守りは、少し変わった方法です。

シャープの対応する空気清浄機では、ホコリやニオイなど、室内のセンサーが検知した変化を利用して生活状況を確認できます。

例えば、料理や掃除などの生活行動によって、部屋の空気の状態が変化することがあります。

このようなセンサーの変化を手がかりに、家族の生活状況を間接的に把握します。

対応機種では、センサーの状態変化が1日中確認できなかった場合などに、通知を受け取れます。

ただし、センサーは本人の動作だけを検知するものではありません。

人がいなくても空気の状態が変化することはあるため、安否確認の補助的な方法と考えるのがよいでしょう。

向いている人: 対応する空気清浄機をすでに使用している高齢者。

8.スマートプラグで家電の使用状況を確認する

代表例:SwitchBot「プラグミニ」

スマートプラグは、家電とコンセントの間に取り付ける小型の機器です。

接続した家電の消費電力などを、スマートフォンから確認できます。

例えば、毎朝使用する電気スタンドなどに取り付ける方法が考えられます。

普段使う時間帯に電力の変化がなければ、家電が使用されていない可能性があります。

ただし、スマートプラグは高齢者専用の見守りサービスではありません。

使用していない場合の通知ができるかどうかは、製品の機能や設定によります。

また、家電によっては接続できないものもあります。定格電力や使用上の注意を確認する必要があります。

向いている人: 今ある家電を活用して、比較的自由に見守りの仕組みを作りたい家庭。

SwitchBot「プラグミニ」公式サイト

9.洗濯機の使用状況で見守る

代表例:シャープ「COCORO WASH」

洗濯機の運転状況を確認する方法です。

シャープの対応する洗濯機では、インターネットを通じて運転状況を確認したり、洗濯終了の通知を受け取ったりできます。

例えば、親が普段どおり洗濯機を使っていることが確認できれば、生活状況を知る一つの手がかりになります。

ただし、洗濯は毎日するとは限りません。

そのため、洗濯機だけで日常的な安否確認をすることには限界があります。

また、洗濯をしていない場合に自動で安否確認の通知をする専用サービスとは異なります。

向いている人: 対応する洗濯機を所有しており、補助的に生活状況を確認したい家庭。

家電型見守りサービス10種類の比較

ここまで紹介したサービスを一覧にまとめました。

家電・機器把握できること見守りへの適性
電気ポット給湯・未操作時間◎
冷蔵庫扉の開閉・生活リズム◎
炊飯器炊飯間隔・保温状況○
テレビリモコンの操作◎
照明点灯・消灯◎
エアコン運転状況・室温○
空気清浄機室内センサーの反応○
スマートプラグ家電の消費電力○
洗濯機運転状況△

※冷蔵庫については、後付けセンサー型と見守り機能付き家電をまとめて記載しています。

◎=生活習慣と合えば特に有用、○=条件次第で有用、△=補助的な確認に適する。

この評価は、日常の生活状況を把握するうえでの目安であり、機器の性能や緊急対応能力を評価したものではありません。

特に注目したい4つの見守り方法

家電を使って高齢の親を見守るのであれば、特に注目したいのが次の4つです。

① 冷蔵庫

食事や水分補給など、毎日の生活で利用する機会が多いことが強みです。

② 電気ポット

毎日お湯を使う習慣がある人なら、生活リズムを把握しやすい方法です。

③ テレビのリモコン

テレビを毎日見る人なら、普段の操作履歴が生活状況を知る手がかりになります。

④ 照明

照明の点灯・消灯は多くの家庭に共通する行動です。訪問確認に対応するサービスもあります。

ただし、最適な方法は人によって違います。

例えば、普段から電気ポットを使わない人には、ポットによる見守りは適していません。

大切なのは、親が毎日自然に行っている行動に合わせて選ぶことです。

見守りサービスを選ぶときの注意点

導入する際には、次の点も確認しておきましょう。

親の生活習慣に合っているか

使う機会の少ない家電では、普段の生活と異常時の違いを判断しにくくなります。

日常的に使用する家電を選ぶことが基本です。

自宅にインターネット環境が必要か

サービスによってはWi-Fiが必要ですが、通信機能を内蔵しているものもあります。

親の自宅にインターネット環境がない場合は、導入前に必ず確認しましょう。

異常を検知した後、誰が対応するのか

多くのサービスは、異常の可能性を家族に通知する仕組みです。

通知を受け取った後、誰が電話をするのか、連絡がつかない場合はどうするのかを決めておくと安心です。

親自身が納得しているか

見守りは、親の安心のためでもあります。

「監視されている」と感じさせないよう、どのような情報が家族に伝わるのかを説明し、本人の理解を得て利用することが大切です。

まとめ|普段の生活を変えずに見守るという選択肢

離れて暮らす親のことが心配でも、頻繁に会いに行くことが難しい家庭は少なくありません。

そんなとき、普段使っている家電の使用状況を通じて、生活の変化を知ることができます。

ただし、家電が使われたからといって、本人の安全が確認できたわけではありません。

また、家電が使われていなくても、外出しているだけという場合もあります。

家電型の見守りサービスは、異変に気づくための補助的な仕組みです。

電話や訪問、近所の方とのつながりなど、ほかの見守り方法と組み合わせることも大切でしょう。

親の生活を大きく変えることなく、離れて暮らす家族が安心できる。

そのための選択肢として、家電を利用した見守りサービスを検討してみてはいかがでしょうか。


※製品の機能・料金は2026年10月時点で確認した情報です。対応機種、通信環境、契約条件などによって利用できる機能は異なります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

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