畳替えについて|種類・時期・費用まで、初めての方にも分かりやすく解説!

畳は、古くから日本の暮らしに根付いてきた伝統的な床材です。い草の香りややわらかな肌触り、足元に感じる温もりは、忙しい現代の生活の中でほっとひと息つけるような癒やしを与えてくれます。

そんな畳も、年月とともに傷んだり、汚れが目立ったりするもの。特に最近では、畳の部屋が少なくなってきていることもあり、「畳替えって、そもそも何をするの?」「どのくらいの費用がかかるの?」「タイミングはいつがいいの?」といったご質問をいただくことが増えてきました。

この記事では、畳替えの基本から種類、選び方のポイント、タイミングや費用についてまで、初めての方にも分かりやすくご紹介していきます。

畳替えをきっかけに、和室をもっと快適で心地よい空間にしませんか?
ぜひ最後までご覧いただき、お住まいにぴったりの畳選びにお役立てください。

畳替えとは?基本の3種類

「畳替え」と一言でいっても、実は内容によって3つの方法に分かれています。
お部屋の状態や畳の使用年数によって、最適な方法は異なりますので、以下を参考にしてみてください。


① 表替え(おもてがえ)

表替えイメージ 表面のみ張り替える

現在使っている畳床(芯材、土台の部分)はそのままに、表面の畳表(い草の部分)だけを新しいものに張り替える方法です。
一般的に、畳を使い始めて5〜10年ほど経った頃におすすめの工事です。

【こんな方におすすめ】
・畳が日焼けして色があせてきた
・表面がささくれて服にくっつくようになった
・費用を抑えて部屋をきれいにしたい


② 新畳入れ替え(しんたたみいれかえ)

すべて新しく交換。

畳床ごとまるごと新しく作り直す方法です。畳のサイズをお部屋に合わせて採寸し、オーダーメイドで仕上げます。
畳床がへたっていたり、ふかふかしてきたり、長年使用している場合はこちらが最適です。

【こんな方におすすめ】
・畳が沈み込んで歩きにくい
・カビ臭い、湿気っぽい感じがする
・築年数の経ったお家で、初めて畳を替える


③ 裏返し(うらがえし)

裏返しイメージ。表面を剥がし、裏側を再利用。

今の畳表をいったん外し、裏面を表側として再利用する方法です。使い始めて2〜3年程度の畳で、状態が良好な場合に限り可能です。
新しい畳のような風合いに戻る上、費用も比較的抑えられます。

【こんな方におすすめ】
・最近畳を替えたばかりだけど、少し傷が気になる
・できるだけコストを抑えてメンテナンスしたい
・畳表の状態がまだ良好で、シミやカビが少ない
・新品のような青畳が好きで定期的に張替えたい


このように、畳替えにはさまざまな方法があります。

畳表の種類と選び方

畳替えの際にとても大切なのが「畳表(たたみおもて)」の選び方です。畳表とは、畳の表面に張られている“い草”部分のこと。畳の見た目や肌触り、耐久性を大きく左右する重要な素材です。

最近では、従来の天然い草だけでなく、和紙や樹脂を使った機能性の高い畳表も増えてきています。それぞれの特徴を知って、ご家庭にぴったりの畳を選びましょう。


① 天然い草表(てんねんいぐさおもて)

昔ながらの畳表で、い草本来の香りや柔らかな質感が魅力です。
湿度を調整してくれる天然素材ならではの心地よさがあり、癒し効果も抜群。和室らしさを大切にされたい方には特におすすめです。

【特徴】
・自然ない草の香りと風合い
・夏は涼しく冬は暖かい
・使い込むごとに味わいが出る

【注意点】
・日焼けや摩耗により劣化するため、定期的な張替えが必要
・カビやダニを防ぐため、湿気対策や換気も大切

天然い草表は、しっかり選べば「肌にやさしく、長持ちする畳」として、永く暮らしを支えてくれます。

天然い草表の品質は、「い草の長さ・太さ・密度」などで変わりますが、もうひとつの大きなポイントが**経糸(たていと)**の種類です。畳表は、経糸にい草を編み込んで作られており、この経糸の素材によって耐久性や厚み、価格が大きく変わります。

【経糸の種類と特徴】
綿糸(めんいと):やわらかく軽いが、耐久性は控えめ。価格を抑えた普及品に多く使われています。
麻糸(あさいと):しっかりとした張りがあり、畳表に厚みとコシを与えます。丈夫で長持ち。
麻綿W・麻麻W:麻と綿の組み合わせ、または麻糸2本を使用した高級仕様。い草の打ち込み本数も多く、美しい仕上がりになります。

② 和紙表(わしおもて)

和紙をこより状にして樹脂コーティングした畳表です。天然い草に比べて耐久性が高く、カラーバリエーションも豊富で、モダンな和室に人気です。

【特徴】
・色落ちしにくく、長持ち
・カビやダニに強い
・デザイン性が高く、洋室との相性も◎

【おすすめの方】
・お手入れの手間を減らしたい
・ペットや小さなお子様がいるご家庭
・オシャレな空間づくりをしたい


③ 樹脂表(じゅしおもて)

ポリプロピレンなどを使った高耐久の畳表です。撥水性があり、水や汚れに非常に強いため、介護施設や店舗などでも多く使われています。

【特徴】
・水拭きできてお手入れが簡単
・非常に丈夫で、変色しにくい
・カラフルで現代的な和室にもぴったり

【おすすめの方】
・汚れが気になる場所に使用したい
・水や湿気が多い環境でも安心して使いたい

※「セキスイMIGUSA」シリーズが代表的です。デザインも豊富で、お部屋に合わせたコーディネートが可能です。

畳替えのタイミングとサイン

畳は見た目がキレイでも、実は内部が傷んでいたり、使い心地が悪くなっていたりすることがあります。そこで大切なのが、「畳替えのタイミング」を見極めることです。

以下のようなサインが見られたら、畳替えの時期が近づいているかもしれません。


1. 表面がささくれてきた
畳の表面が毛羽立って、服や靴下にい草のクズがつくようになったら「表替え」のサイン。長く使っていると、い草が乾燥して切れやすくなります。


2. 畳がふわふわ沈むような感じがする
歩いたときに「沈み込む」「弾力がなくなっている」と感じたら、畳床(たたみどこ)の劣化が進んでいるかもしれません。この場合は「新畳入れ替え」が適しています。


3. 畳の色が著しく変色している
日焼けなどで色があせ、まだら模様になってしまっている場合も、張り替えを検討しましょう。見た目が一気に明るくなり、お部屋全体の印象が変わります。


4. カビや湿気のにおいが気になる
畳は湿気を吸収する性質がありますが、通気が悪いとカビが発生することも。においやシミが気になったら、衛生面からも張り替えをおすすめします。


5. ペットや小さなお子さまがいるご家庭
食べこぼしや爪のひっかき傷、粗相などで傷みが進みやすいため、一般家庭よりも早めの畳替えが安心です。和紙表や樹脂表など、お手入れしやすい素材を選ばれる方も増えています。


畳は見た目以上に、快適な住環境を保つために重要な役割を果たしています。「最近ちょっと気になるな…」と感じたら、お近くの畳屋さんにご相談してみてください

畳替えの料金、費用の目安、おおよその相場

畳替えを検討される際に、やはり気になるのが「費用」のことですよね。
実は、畳の価格は使う畳表の種類施工内容(表替え・新畳・裏返し)部屋の広さ(たたみの枚数)などによって異なります。

先に解説した畳替えの方法3種類の、一般的な価格です。

裏返し

畳表を裏返すことで、新しい面を表として使用する手法です。この方法は、畳の表面が軽く焼けたり擦れたりした場合に最適です。費用を抑えつつきれいな畳を取り戻したい方に特におすすめです。この方法では、畳表の状態が比較的良好であることが重要です。

  • 費用の目安: 4,000円~6,000円/枚

表替え

元の畳床をそのままに、表面の畳表と縁(べり)を新調する方法です。この際、い草や和紙表、樹脂表といった素材選びが大きく関与し、その選択肢によって価格が大きく変動します。耐久性や見た目を重視する場合には最適です。

  • 費用の目安: 5,000円~20,000円/枚

新畳(しんたたみ)への入れ替え

畳全体を新しくする方法で、新築の住まいや大規模な改装を行う際、または長期間使用した畳を交換する時に適しています。この方法は最もコストがかかりますが、新しい畳の持つ香りや感触を最大限に楽しむことができます。

  • 費用の目安: 11,000円~30,000円/枚

まとめ:畳替えで快適な暮らしを

畳はただの床材ではなく、日本人の暮らしに寄り添い、心をほっと和ませてくれる存在です。
定期的に畳を替えることで、お部屋が明るくなるだけでなく、気分もリフレッシュ。清潔で快適な空間が、ご家族のだんらんや日々の暮らしをより豊かにしてくれます。

「そろそろ畳を替えようかな…」と感じたら、それが最適なタイミングかもしれません。
畳の状態を見ながら、今の暮らしに合った素材やデザインを選ぶことで、和室がもっと好きになるはずです。

タイトルとURLをコピーしました